2011年6月13日月曜日

映画の原作本のご紹介

由佳の本棚、今月は、映画の原作本をご紹介します。












主人公が逃げるのとおなじぐらいのスピードで読み進みました。
一度読み始めたら、不安で止まらなくなるんです。
主人公は、不倫相手の子供を妊娠したものの、相手から「待ってほしい」といわれたことから堕胎して、子どもをうめない体になった女性。
不倫相手のことを忘れて、何もかも終わりにするため、最後に、不倫相手の奥さんが産んだ赤ちゃんを見ようと、不倫相手の家に忍び込み、そこで赤ちゃんをさらってしまいます。
倫理的には誘拐なんて絶対あってはいけないこと。
それは分かっているんだけど、主人公に肩入れしてしまうのは、角田光代の筆力なんでしょうね。
本も映画もどちらもお勧めです。
本を読んだ後に映画を見たほうが、それぞれの心情が分かって、より深く楽しめると思いますよ。













次はノベライズ本。
冬山登山をしている青年が登山をして、雪に足を取られ、落下していく最初の場面から、一気に物語に引き込まれました。
主人公は、山岳救助ボランティアをしている島崎三歩。
三歩が、物語に登場する最初の救助者にかけた言葉で、涙が出そうでした。
物語では多くの人を助けるのですが、それぞれに人生があって、生きていても亡くなっても、涙なしでは読み進められません。
一歩を踏み出す勇気をくれる作品です。
この作品の場合は、絶対、映画を先に見たほうがいいですよ!!
雪山という予測できない状況での救援活動なので、本を読んでしまうと、救助の仕方も、三歩が生きていた人たちに掛ける言葉も分かってしまうので、感動が薄くなってしまいます。
是非、映画を見た後に本を読んで、映画では語られなかった部分を知ってください。













以前に読んだ作品を、映画の上映に合わせて、もう一度読みました。
主人公は、便利屋の多田啓介。
引越しの手伝いや、草むしり、部屋の掃除や息子のふりなど、客の依頼なら、どんな小さなことでも引き受ける心優しい青年です。
しかし、高校時代の同級生、行天春彦が家にいすわるようになって、トラブルに巻き込まれていくと言う話。
ひょうひょうとした行天に多田が振り回されながら、事件を解決していきます。
笑えるけど、それだけじゃない、心に闇を抱えた二人だからこそ出てくる言葉が、作品のいたるところに散りばめられています。
にしても、瑛太が、私の中の原作のイメージと違いすぎて戸惑いました。
監督の中の多田啓介は、そうだったんだろうな~。
ただ、映画をみたことで、前回読んだ時には気付けなかった、心の奥底の部分が見えたような気がします。
ただただ、面白いだけの作品じゃないって、今更ながら気付かされました。













映画を見て、原作を読みなおして、その勢いで読んだ一冊。
まほろ駅前多田便利軒の続編です。
前作に登場した人がまた出てきて、主人公二人だけではなく、登場人物の魅力にも気付けますよ。
相変わらず、気が抜けた中に、名言が隠されています。
ドラマにならないかな~。













織田裕二主演の映画「アマルフィ 女神の報酬」の原作、「アマルフィ」を読みました。
なぜ、今更アマルフィ?って思ったでしょ!
続編が、今月下旬に上映されるからですよ。
主人公は、映画・テレビドラマでお馴染みの、外交官・黒田耕作。
この作品では、イタリアを舞台に、黒田耕作の冴えわたる頭脳と、並はずれた行動力と、邦人保護にかける思いが、事件解決に導いて行きます。
改めて語ると、出来すぎた人物像に、はずかしさを感じないわけではないですが、読んでいるときは、どっぷり黒田耕作に恋をしていました。
どうして犯人が犯罪を犯さざるを得なかったのか・・・・胸が潰れそうな想いで読みました。
この本を読まなかったら分からなかったことが沢山ありました。
読んで良かった・・・・。
「アマルフィ 女神の報酬」の後は、「アンダルシア 女神の報復」が上映されます。
タイトルが似すぎてる!!!!!