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2012年3月14日水曜日

由佳の本棚

月曜日「由佳の本棚」でご紹介した本です。
 










 
【つなみ 被災地のこども80人の作文集】
東日本大震災で津波を見た子どもたちが、地震の瞬間や、津波を見た時何を感じたのか、避難所生活や大切な人を失った悲しみと、どう向き合っているのかなどを綴っています。
この作文を書いたのは、震災の発生から2カ月がたってからです。
今、この子どもたちがどういう状況に置かれ、どう生活しているのか・・・。
作文に書いていた、未来への希望を、持っていてほしいです。













【小澤征爾さんと、音楽について話をする】
小澤征爾さんと村上春樹さんの対談を、村上さんが文章化したものです。
本を開くと文字しか見えないのに、読んでいると、二人の息遣いまで聞こえてきそうです。
二人が会話を休憩したら、私も一緒に休憩して、ほっと一息つきました。
それにしても、村上さんの音楽の知識と受け止め方はスゴイ!!
いろんな音楽の楽しみ方を教えてくれる1冊です。
先週、小澤征爾さんの活動休止が発表されました。
来年の2月末まで、この本とCDとDVDを楽しみながら、小澤さんの復帰を待とうと思います。
 












【舟を編む】 
「舟を編む」は、辞書作りに奔走する、玄武書房 辞書編集部の人たちが1冊の辞書を作り上げるまでの、出会い、苦労、笑い、恋、挫折、達成などが描かれています。
この本を読むまで、あの厚い辞書を作っている人達がいるということに、思いが至りませんでした。
とにかく笑って、ハラハラして、驚いて、感動して・・・家にある辞書という辞書をめくりました。
そして、目に留まる辞書全てが愛おしくなりました。
いい本に出合えました。

2012年2月18日土曜日

由佳の本棚


 「由佳の本棚」を更新しなければ、しなければ・・・・と思っていました。
その日のうちに更新しないと、なんとなく落ち着かないものですね。












【久戸瀬邦子 監修/柴犬警察犬 二葉】
マスコミ各社が取り上げていましたね。
日本犬で初めて警察犬になった「二葉」の写真集です。
表紙はコスプレをしていますが、中は裸(?)の二葉が多いです。
私は断然、裸派です!!
訓練をする二葉、散歩をする二葉、お花畑にいる二葉、海辺の二葉・・・・もう、「これでもかっっ」というぐらい、可愛い二葉の写真が満載です。
二葉にメロメロになっている間に、警察犬について詳しくなる写真集です。

 









  
【幕内秀夫 著/病気にならない女性は「カタカナ食」を食べない】
気が付けば、健康本がマイ・ブームです。
この本のほかに、「病気にならない15の習慣」と「50歳を超えても30代に見える生き方」を読みました。
どの本も、食事の取り方について書かれているのですが、著者によって違うんですよね。
お米が大好き且つ食いしん坊の私は、この本が一番好きでした。
3冊の本を読んで思ったのは、「情報に流されず、体の声を聴いて食事をとる」ということ。
体の声を聴いたら、「お腹はいっぱいだけど、まだ食べたい」と言っていました。













【ブレンドン・バーチャード著/奇跡が起こる遊園地】
私の苦手な自己啓発本です。
でも遊園地が好きなので読まずにはいられませんでした。
主人公の”僕”は、40日行方不明になって、瀕死の重傷を負った婚約者の願いをかなえるため、遊園地に行きます。
そこは、婚約者の兄が事故にあい、その後、閉じられた遊園地でした。
しかし、その場所に行ってみると、沢山の人が楽しんでいました。
そこで、主人公は様々な体験をします。
私たちは、ただただ主人公の体験を読んでいるだけではいけません。
主人公に与えられた問題を、一緒に解いてこそ、この本の価値があります。
しかし、最後のほうになると、婚約者が失踪した理由が気になって、自問自答しながら読むわけにはいきませんでした。落ちついて、もう一度読もう。
 












【村上春樹 著/走ることについて語るときに僕の語ること】
日々、走ることが生命線のようなものと語っている村上さんが、走ることについて、作家という仕事について、自分について書いた本です。
この本から多くのことを学び、ほんの少し実践し、始めて1週間で、疲労から肩甲骨の筋を違え挫折しました。
小説家にはなれないけど、村上さんがやっているように、毎日走ること(私は走れないので泳ぐことにしました)は出来るだろうと思って始めましたが、たかだか毎日走る(私の場合は泳ぐ)ことすら、村上さんに及びませんでした。
やはり、村上春樹さんは偉大です。
たとえ走れなくても、筋を違えても、この本は素晴らしいです。


2012年1月16日月曜日

由佳の本棚(1月)











   
【米澤穂信 著/折れた竜骨】
ファンタジーが苦手な私が夢中になりました!!
主人公は、北海に浮かぶソロン諸島の領主の娘・アミーナ。
ソロン諸島は、貿易で財をなし、地理的条件から敵が攻撃できない恵まれた島です。
ある日、ソロン諸島に、領主の命が狙われていることを伝えるため騎士と従士が訪れます。
忠告したものの、領主は殺されてしまいます。
突然ですが・・・ファンタジーなので魔術が出てきます。
魔術が使われるからといって、謎解きがずさんになることはありません。
魔術が使われるからこそ、話の展開が楽しめるんです。
騎士の推理と、アミーナの勇気が素晴らしい!!













【吉野源三郎 著/君たちはどう生きるか】
主人公は、本田潤一くん。通称コぺルくんです。
背の低いことが悩みですが、勉強も運動もできて、いたずらが大好きな、旧制中学1年生です。
病気で父親を亡くしてからは、叔父さんが、精神面でコペルくんを支えます。
コペルくんは、乱暴者だと思っていたクラスメートが、正義感の強い人だと知ったり、授業中ぼーっとしているクラスメートが、朝早くから家の仕事を手伝う心の優しい少年だと知ったり、友人との約束を守れなかったことを悔やんだりと、学校生活の中で様々な経験をします。
それらのコぺルくんの話を聞いて、叔父さんは、自分が感じたことをノートに書きます。
将来、コペルくんに、そのノートを見せるためです。
そこには、人として私たちがどうすればいいのか、どう考えていいのかが書かれています。
ゆっくり繰り返して読みたい作品です。













 【高野和明 著/ジェノサイド】
ジェノサイドとは「大量虐殺」のこと。
舞台は、ジェノサイドが行われている内戦下のコンゴ民主共和国。
主人公の一人、傭兵のイエーガーは、不治の病に冒された息子の高額な医療費を支払うため、詳細が知らされない任務を受けることを決めます。
この任務は、裏でアメリカ政府が操作していました。
もう一人の主人公は、研人。大学院で創薬の研究をしています。
コンゴで任務を遂行する傭兵と、日本人の大学院生がどう関わってくるのか。
ハリウッド映画を思わせるスケール感が展開していきます。
この本では、内戦下の国の住民たちが、どんな状況におかれているのか、少年兵たちが、どうして兵士になって、殺し、殺されていくのか・・・今まで知らなかった戦争のことが描かれています。
私たちには知るべきことが、まだ沢山あると思いました。













 【小川糸 著/あつあつを召し上がれ】
 何も食べられなくなったおばあちゃんのために、孫が一生懸命買いに行った「かき氷」、別れることが決まった二人が一緒に食べる「松茸料理」、死を目前にした母親が、幼い娘にたたきこんだ「お味噌汁」。
幸せな時はもちろん、辛い時も、料理と人間は切り離せないんだと気付きました。
小川さんの料理の描写が素晴らしく、「この料理はどこに行ったら食べられるんですか?」と、出版社に問い合わせたくなりますよ。
お腹がすいた時には読まないようにしましょう。

2011年12月12日月曜日

由佳の本棚12月












【原島由美子 著/「箱根駅伝」不可能に挑んだ男たち】
「お正月に箱根駅伝が放送されるのは当たり前!」そう思っていました。
でも、この本を読んで、放送にたどりつくまでには多くの試練があって、をれを乗り越えてきた人たちがいるから、私たちはテレビの箱根駅伝を見て感動することができると気付きました。
この物語の主人公が箱根駅伝を中継したいと思って、放送に至るまでの期間は、実に23年。
箱根駅伝の初の山岳中継に挑んだ、日本テレビ箱根駅伝チームの物語です。
お正月の箱根駅伝を見る前に、是非、読んでいただきたい!!













【桂望実 著/Run!Run!Run!】
主人公は、オリンピックのマラソンで金メダルをとることが目標の天才長距離ランナー大学1年生の岡崎侑。
箱根駅伝は通過点でしかありません。
高校時代も駅伝で3年連続区間新記録を出した侑は、大学1年生で箱根駅伝の2区をまかされます。
しかし、ある事情から辞退します。
仲間を必要とせず、才能のない部員を馬鹿にしていた天才ランナーが、箱根駅伝を機に、走ることを見つめる物語です。













【東野圭吾 著/マスカレード・ホテル】
東京のシティーホテルが舞台のミステリー。
東野圭吾さんに見られたら怒られそうですが、ミステリー要素よりも、ホテルで働く人の仕事への思い、ホテル物語が実に面白かったです。
ホテルマンは、どんな気持ちで客に接し、どう客の要望にこたえるのか。
無理難題を押し付けてくる客に、どう対応するのか。
社会人として、読んでいて学びの多い本でした。
一度読み始めると、途中でやめることはできません。













【内田美智子 文/いのちをいただく】
食べるということ、命をいただくということは、こんなに尊いことだったのかと、30年以上生きてきて初めて分かりました。
この本は、是非、すべての人に読んでいただきたい。
大人も子供も関係なく読んでほしいです。
私が今年読んだ中で、一番の本です。

2011年11月30日水曜日

由佳の本棚11月

11月放送の「由佳の本棚」で紹介した本をブログでお知らせしていませんでした!!
はやく更新しなければ12月になってしまう!!!















【RURIKO/林真理子 著】
浅丘ルリ子さんの半生を、林真理子さんが描きました。
浅丘ルリ子さんが、どれほど子どものころから美しかったのか、どんなに多くの人に愛されたのかが分かります。
登場人物も豪華ですよ!!
私たちは、テレビに出ている人のことを、テレビに映っている状態でしか見ないけど、みんな私たちと同じような気持ちを抱えて大人になっているんだな~と、改めて思いました。
















【統ばる島/池上永一 著】
テンペストの作者・池上永一さんの沖縄を舞台にした物語です。
池永さんの描写した沖縄は、やっぱり美しい。
沖縄諸島にある、武富島、波照間島、小浜島など8つの島のそれぞれの物語が集まって一つの物語になっています。
全編を通して大切にされているのは、沖縄にいる神様たち。
科学では説明できない現象が起きても、島の人たちは、静かにそれを受け入れています。
非科学的なことを頭から否定するのではなく、そういう考えをずっと守っていくことを大切に思う気持ちが、本から感じられました。















【駅長猫コトラの独り言】
以前、スタジオに来てくれた、旧片上鉄道 吉ヶ原駅の駅長猫・コトラの本です。
10年以上前に廃線になった片上鉄道のこと、その鉄道を愛して今も保存を続けている人たちのこと、コトラが駅長猫になったいきさつ、駅長猫としてのコトラの活躍が、写真とコトラの独り言と一緒につづられています。
言葉の可愛さにメロメロです♥
















【坂本龍一+編纂チーム選/いまだから読みたい本 3.11後の日本】
東日本大震災以降、坂本龍一さんが、フェイスブックで仲間とともに寄り添いながら、自分自身を取り戻すために紹介し合った文章や本が載っています。
チェルノブイリの事故が起きた時、近くのマンションからその様子を眺めていた「チェルノブイリの祈り」が衝撃的でした。
原発の恐ろしさを具体的には書いていないのに、それでもとても恐ろしく感じました。
全ての人に読んでほしい本です。





2011年10月10日月曜日

由佳の本棚

きょうは体育の日!ということで、スポーツ小説をご紹介しました。
スポーツ小説って、どうして読み終わった後に、その競技がしたくなるんだろう??












 佐藤多佳子著/一瞬の風になれ1・2・3
陸上短距離にかける高校生が主人公。
高校から陸上を始めた新二と、中学時代いい成績を残したにもかかわらず、陸上をやめた連が主人公。
主人公の二人はもちろん、登場人物全てがいいんですよ。
中には悪役がいるんですけど、その人でさえ愛おしく感じるんですよね。
1(イチニツイテ)・2(ヨウイ)・3(ドン)の全3巻ですがノンストップで読み切りました。
読んでる途中から、目がぴくぴくしはじめたけど、そんなの構っていられません。
よく泣いて、よく笑いました。
全力疾走したくなりますよ!!













 森絵都 著/DIVE!!上・下
飛び込み競技に魅せられた1人の中学生と2人の高校生が主人公。
少年たちが通う弱小ダイビングクラブは、存続の危機にありました。
クラブを継続させる条件は、オリンピック出場!!
3人の少年たちは、挫折しながら励まし合いながら技を磨いていき、オリンピック予選に出場できるほどの実力を身に付けます。
しかし、予選を前に、3人のうち1人に決まります。
その後、少年のとった行動は・・・・思い出しただけで涙が出る!!
この本も、よく笑って、よく泣きました。
高さ10メートルの飛び込み台からダイブしたくなりました。













 近藤史恵 著/サクリファイス
高校時代短距離で優勝し、次のオリンピックも狙えると言われていた主人公が、ツール・ド・フランスのテレビ中継を見て、ロードレースに魅せられ、社会人のチームに入って力をつけていく物語。
自転車レースの面白さに加えて、チームの中の役割や人間模様、さらにはミステリーの要素も入った至れり尽くせりの一冊です。
「ロードレースってこんなに面白いんだ!」「ツール・ド・フランスって、次はいつ!?7月!?終わってる!来年まで待てない!!」と、レースを見たくて仕方がなくなること間違いなしです。
この本も泣きました。













三羽省吾 著/イレギュラー
弱小野球部・蜷谷高校と甲子園出場校・圭真高校のバッテリーを中心とした物語。
通常の青春野球小説と違うのは、蜷谷高校のある蜷谷村が大型台風によって壊滅的な被害を受け、半年経っても村民が避難所生活を余儀なくされているということです。
その避難所には「出ていけ」と落書きがしてありました。
蜷谷高校野球部の頑張りに、村民たちも立ち上がります。
自然災害後に被災者が抱える問題が詰め込まれています。
東日本大震災から半年以上たった今、この本に出合えてよかったです。
この本も、よく笑って、よく泣きました。

体育の日だからスポーツ小説にしたんですけど、気が付けば、どの本も男性が主人公でした。
そういえば、女性が主人公のスポーツ小説って、読んだことがないなぁ・・・。
探そっと♪

2011年10月5日水曜日

スポーツ小説読みまくり


来週の月曜日は体育の日。
そして、第2週の月曜日だから「由佳の本棚」の日。
ということで、スポーツ小説を、ひたすら読んでいます。
自分がスポーツをしていたせいか、読み始めたら止まりません。
毎回、泣いたり笑ったりしながら楽しんでいます。
もちろん今回も。
ということで、睡眠不足+本に夢中→目がピクピクです。
目の周りの筋肉が痙攣しても読んでいます。
やっぱり、スポーツっていいなぁ。
やっぱり、本っていいなぁ。


2011年9月30日金曜日

最近読んだ本


赤瀬川原平 著【ニャーンズ・コレクション】
画家で作家で美術評論家で猫好きの赤瀬川原平さんが、空想美術館の館長になって、名画を紹介する本です。
ただの名画じゃありません。猫が登場する名画です。
登場する名画の多くは、本や美術館で一度は見たことあるものでしたが、猫がいるなんて気がつかなかった!!
猫好きは必見です!!!!

藤堂志津子 著【隣室のモーツアルト】
40代~50代の独身女性が主人公の短編集。
何も、こんなに独身の女性ばかり集めなくても!と、作者に腹を立てつつ、非常に冷たい風が心を吹き抜けました。
こんなに素敵な表紙とタイトルから、誰が、こんな恐ろしい物語を想像できたでしょう!!
心に余裕のある独身女性と、結婚している女性が読んでください。

乃南アサ 著【いのちの王国】
なんて可愛い表紙なんだ!!本屋で一目ぼれしました。
著者が、日本各地の動物園に行って、飼育員から話を聞き、そのエピソードをまとめたものです。
最初の秋田市大森山動物園の話で泣きました。
JRと水島臨海鉄道の中でハンカチを目に当てながら読みました。
私の目標は、日本の全動物園に行って、ブログに更新し、あわよくば本を出そうと思っていたのに(←まったく思っていただけです)、すでに先を越されていたとは!!!

ピーコ・阿川佐和子 対談【ピーコとサワコ】
知人に貸しているので、写真はありませんが、面白かった!!
世の中のいろんなことにピーコさんと阿川さんが怒っているんです。
それ分かる!の連続でした。
それにしても、阿川さん、いろいろ苦労されていたんですね(涙)。
とくに結婚についてのところで、「私もです!」と、手を強く握りに行きたくなりました。

夏目房之介 著【孫が読む漱石】
軽快な文書と、多くの視点、さすが夏目漱石のお孫さん!!と思って読んでいたら、本人は夏目漱石の孫と言われることがいやだったと書いていました。
すまなかった。
まだ読んでいる途中なんです。
草枕をなんとか最後まで読んだものの、いっこうに他の作品に手が伸びない私の心を、お孫さんがどう変えてくれるか楽しみです。

2011年9月12日月曜日

由佳の本棚9月












【人生がときめく片づけの魔法】
片づけ本、インテリア本、収納本が大好きな私。
でも、時間がたつと、どうしても散らかっていたんです。
でも、この本に書かれたことを実践したら、散らからなくなったんです!!!
まさに魔法!!!!!!!!
片づけは順番を守る、ときめくものだけ残す。これがポイント。
熟読してから片づけて下さい。
















【池上彰の宗教がわかれば世界が見える】
ページをめくるたびに、こんなに驚かされる本には、これまで出合ったことがありません。
日本人は無宗教と言われているけど、無宗教じゃないんですよね。
日本という風土が育んだ神様がいたるところにいて、みんな無意識の中で敬っているんです。
日本人でよかった、日本の宗教観は素晴らしいと思いました。
池上さんの本や解説は、何でこんなに分かりやすいんだろう?













【魔法のことば】
 アリゾナの大自然と動物、人々の暮らしを取り続けた写真家、星野道夫さんの講演集です。
星野さんがアラスカに行くきっかけになった1枚の写真や、初めてのアラスカ滞在、クジラ漁を見た時の感動、カリブーの大移動など、読んでいてワクワクすることばかりです。
ワクワクしすぎて、水島臨海鉄道の終点まで行ってしまいました。
1987年~1996年までの講演なので、重複する部分が出てきます。
だから、一気に読まずに、1週間や2週間あけて、次の章に進むことをお勧めします。
たとえ同じ内容でも、何度読んでも感動します。













【ある小さなスズメの記録】
第二次世界大戦中のロンドン郊外で、女性が巣から落ちたスズメの雛を拾います。
戦火が激しくなる中、女性とスズメは一緒に生き抜きます。
スズメの暮らしが記録されているのですが、その記録から、スズメの女性への愛情が感じられます。
そして、読んでいる私も、スズメが愛おしくなるんです。
読み終わった直後よりも、3日後、5日後、1週間ごと、日がたつにつれて心にしみわたる不思議な本です。

2011年7月11日月曜日

由佳の本棚7月












先日、「お料理大好きフレモニれしぴ」の中で、milletの岡田賢治シェフが話していた本です。
面白そうなのでシェフに借りました。
著者の小泉武夫さんが食べた、不味い料理まんさいの本です。
この本を読んで、無性に、美味しいご飯と美味しい味噌汁が食べたくなりました。
不味いものばかり紹介している中で、小泉さんの食への愛情が隠されていて、食いしん坊の私はそれを逃さなかったからだと思います。
食いしん坊にはたまらない1冊です。













FM岡山の技術職員に借りました。
理系が愛する本で、理系以外の人には理解しがたい本だそうです。
そこで私は思いました「体育会系だけど読んでみせる!」と。
時は2020年代。宇宙開発技術が進む中、月で5万年前の死体が見つかりました。
なぜ、5万年前に人類が月にいたのか。
とにかく、先が気になって気になって仕方がありませんでした。
そして、いろんな専門家が一つ一つクリアにしていくのも面白かった。
理系じゃなくても大丈夫!!
続編が気になります。
この本の気が抜けないところは、人類の起源など、思わずこの本の内容が本当だと思ってしまうところです。












可愛い装丁と、題名に誘われて手に取りました。
京都の大学から石川県能登半島の研究所に行った、大学院生・守田一郎くんが、友人・先輩・妹などにあてた手紙が本文になっています。
あくまで守田君の手紙を読むだけで、相手からの返事は、守田君の手紙の中で想像するしかありません。
守田君のあまりの駄目っぷりに、くすくす笑いが止まりませんでした。
その後、わはは笑いに変わります。
列車やバスの中など、公共の場所で読むのは危険です。













作家の吉村昭さんが、三陸海岸沿いの町を歩き、過去に三陸海岸を襲った津波の前兆・被害・救援の様子を、体験者の話を軸にまとめた一冊。
本の最後で、明治29年の大津波、昭和8年の大津波、昭和35年のチリ地震津波、昭和43年の十勝沖地震津波を経験した男性の言葉が記されていました。
「津波は時世が変わってもなくならない。
 今後も必ず襲ってくる。
 しかし、今の人たちは、色々な方法で十分警戒しているから、
 死ぬ人はめったにいないと思う」
男性は、期待も込めて、著者に語ったんでしょうね。
でも、2011年3月11日、未曾有の大災害が起きました。
最後のこの部分を読んで、涙が止まりませんでした。

2011年6月13日月曜日

映画の原作本のご紹介

由佳の本棚、今月は、映画の原作本をご紹介します。












主人公が逃げるのとおなじぐらいのスピードで読み進みました。
一度読み始めたら、不安で止まらなくなるんです。
主人公は、不倫相手の子供を妊娠したものの、相手から「待ってほしい」といわれたことから堕胎して、子どもをうめない体になった女性。
不倫相手のことを忘れて、何もかも終わりにするため、最後に、不倫相手の奥さんが産んだ赤ちゃんを見ようと、不倫相手の家に忍び込み、そこで赤ちゃんをさらってしまいます。
倫理的には誘拐なんて絶対あってはいけないこと。
それは分かっているんだけど、主人公に肩入れしてしまうのは、角田光代の筆力なんでしょうね。
本も映画もどちらもお勧めです。
本を読んだ後に映画を見たほうが、それぞれの心情が分かって、より深く楽しめると思いますよ。













次はノベライズ本。
冬山登山をしている青年が登山をして、雪に足を取られ、落下していく最初の場面から、一気に物語に引き込まれました。
主人公は、山岳救助ボランティアをしている島崎三歩。
三歩が、物語に登場する最初の救助者にかけた言葉で、涙が出そうでした。
物語では多くの人を助けるのですが、それぞれに人生があって、生きていても亡くなっても、涙なしでは読み進められません。
一歩を踏み出す勇気をくれる作品です。
この作品の場合は、絶対、映画を先に見たほうがいいですよ!!
雪山という予測できない状況での救援活動なので、本を読んでしまうと、救助の仕方も、三歩が生きていた人たちに掛ける言葉も分かってしまうので、感動が薄くなってしまいます。
是非、映画を見た後に本を読んで、映画では語られなかった部分を知ってください。













以前に読んだ作品を、映画の上映に合わせて、もう一度読みました。
主人公は、便利屋の多田啓介。
引越しの手伝いや、草むしり、部屋の掃除や息子のふりなど、客の依頼なら、どんな小さなことでも引き受ける心優しい青年です。
しかし、高校時代の同級生、行天春彦が家にいすわるようになって、トラブルに巻き込まれていくと言う話。
ひょうひょうとした行天に多田が振り回されながら、事件を解決していきます。
笑えるけど、それだけじゃない、心に闇を抱えた二人だからこそ出てくる言葉が、作品のいたるところに散りばめられています。
にしても、瑛太が、私の中の原作のイメージと違いすぎて戸惑いました。
監督の中の多田啓介は、そうだったんだろうな~。
ただ、映画をみたことで、前回読んだ時には気付けなかった、心の奥底の部分が見えたような気がします。
ただただ、面白いだけの作品じゃないって、今更ながら気付かされました。













映画を見て、原作を読みなおして、その勢いで読んだ一冊。
まほろ駅前多田便利軒の続編です。
前作に登場した人がまた出てきて、主人公二人だけではなく、登場人物の魅力にも気付けますよ。
相変わらず、気が抜けた中に、名言が隠されています。
ドラマにならないかな~。













織田裕二主演の映画「アマルフィ 女神の報酬」の原作、「アマルフィ」を読みました。
なぜ、今更アマルフィ?って思ったでしょ!
続編が、今月下旬に上映されるからですよ。
主人公は、映画・テレビドラマでお馴染みの、外交官・黒田耕作。
この作品では、イタリアを舞台に、黒田耕作の冴えわたる頭脳と、並はずれた行動力と、邦人保護にかける思いが、事件解決に導いて行きます。
改めて語ると、出来すぎた人物像に、はずかしさを感じないわけではないですが、読んでいるときは、どっぷり黒田耕作に恋をしていました。
どうして犯人が犯罪を犯さざるを得なかったのか・・・・胸が潰れそうな想いで読みました。
この本を読まなかったら分からなかったことが沢山ありました。
読んで良かった・・・・。
「アマルフィ 女神の報酬」の後は、「アンダルシア 女神の報復」が上映されます。
タイトルが似すぎてる!!!!!

2011年5月9日月曜日

由佳の本棚

由佳の本棚は、今月も4冊ご紹介しました。












テーマは、箱根駅伝の「学連選抜」。
箱根駅伝の季節ではないのに、何故、この本を選んだか!?
それは、先週読んだからです。
箱根駅伝の前まで、紹介するのを待とうと思っていたのですが、あまりの面白さに紹介せずにはいられませんでした。
「学連選抜」チームで走ることへの葛藤や、何のためにタスキをつなぐのかという選手の思いが描かれていて、選手と同じぐらいの葛藤をかかえて読んでいきました。
やっぱり堂場瞬一のスポーツ小説はすごい!!!!
ちなみに、堂場瞬一さんの「走る」くくりの小説では、マラソンがテーマの「キング」もお勧めです。
堂場瞬一さんのスポーツ小説は、どれもお勧めです。













ディレクターに借りた、美術書のように美しい1冊。
眠れない女性の物語です。
私も眠るのは下手です。
眠れないのをいいことに、主人公は本を読んだりドライブをします。まったく羨ましい限りです。
この本を読んで寝た日に、眠れない夢を見ました。
せっかく眠れたのに、眠れない夢とは、損をした気分です。
読んでいる時も、眠っているような感覚になる、不思議な物語です。
潜在意識に入ってくる一冊です。













この本もディレクターに借りました。
これは、一人でも多くの女性に読んでもらいたい。
著者は、乳がんになってから身体の調子がよくなって、仕事も順調になりました。
そんなことあるの!?って思うでしょ!
そんなことあるみたい。
病気のデパートと呼ばれる(←誰に?)私としては、勇気をもらった一冊です。
結局、私たちは身体のいいなりになるしかないんですよね。
だから、日々、身体に話しかけて、一緒に頑張っていこうと思いました。
私の身体、ありがとう。







この本だけ、画像が小さい(涙)。
大好きな絵本作家いせ ひでこさんの作品です。
絵本を読むとき、次のページが待ちきれなくて、最初は文章を読まず、絵だけを見るんです。
その絵だけの時点で、目に涙が浮かびました。
そして、絵本を読んで、改めて涙が流れました。
いせさんの絵が、とにかく優しいんです。
本が出来るまでを丁寧に描いているページがあるのですが、いせさんの本への愛情が感じられます。
そして、職人が本を作っている手が、なんとも温かい。
どうして、描かれた手だけで、人間の優しさが伝わってくるのでしょうか?
伝えたいことはいっぱいあるけど、伝えたいけど、読んだ人、それぞれの人が感じてほしいので、我慢します。
わたしにとって、かけがえのない一冊です。

2011年4月11日月曜日

新年度も由佳の本棚あります

「由佳の本棚」は、今年度も毎月第2月曜日にお送りします♪
相変わらず、私が気になった本を紹介する、私の趣味のコーナーです。












竹之内豊さん主演映画「太平洋の奇跡」を見て、本を読みたくなりました。
太平洋戦争末期、圧倒的に不利な状況の中、サイパンで指揮をとって、民間人と部下を守った大場大尉の物語です。
この物語、日本人ではなく、当時敵だったアメリカ海兵隊員が書いたんです。
その事実にも心が打たれました。
本の中で、「戦争を振り返って、認められるのが正当なものについては認めるべきだ」「多くの人たちの父や祖父や叔父たちに感謝するべきだ」と著者が述べています。
これまで、そんな視点で戦争を見たことはありませんでした。
日本についてもっと知り、誇りを持つ必要があると、本から学びました。













「謎解きはディナーの後で」で大ブレイクした東川篤哉さんの本。
今回も、かなり笑えるミステリーです。
主人公は、鯉ヶ窪学園高等部2年、探偵部副部長の霧ケ峰涼。
エアコンのような自分の名前が大嫌いだったけど、ある時、知人に、名投手と名探偵には三文字の名字が多いと指摘され、名探偵の道に進むことにしました。
その霧ケ峰涼が巻き込まれる事件が8つ起こり、大胆に解決されます。
私は、7編目の「霧ケ峰涼の絶叫」に出てくる足立俊介くんが好きです。
足立君のことが気になっても、最初から順番に読んでね。
笑うこと確実なので、公共の目立つ場所では読まないようにしましょう。
ちなみに、霧ケ峰涼は広島東洋カープを愛しています。
私と同世代のカープファンには、かなりしびれる内容になっています!













この本も笑えます。笑いすぎて目に涙が浮かびました。
自分の部屋でこっそり読んでください。
「鴨川ホルモー」や「鹿男あおによし」の著者、万城目学さんのエッセイです。
私の一番のお気に入りは、万城目さんが大学時代に行ったトルコ旅行の話。
万城目さんは、トルコに行った時、カッパドキアの隣町・ハマムに行きました。
そこには、公衆浴場があります。
ガイドブックによると、その公衆浴場では、①男性があかすりをしてくれる②水着着用③日本のような湯船はない、とのこと。
万城目さんは、水着を着て、サウナに入り、水風呂に入り、指示された部屋に行きました。
扉をあけると、サッカー・元イラン代表の英雄アリ・ダエイに似た不機嫌そうな男が、上半身裸で、厚い胸板をさらし、下半身に長いタオルを巻いた男性が、仁王立ちをしていました。
その男は、万城目さんに「水着を脱げ」と言ったのです。
その後は・・・本を読んでからのお楽しみ!
私は部屋でゲラゲラ笑いながら読みました。
図書館で借りたんだけど、絶対買う!!!!













去年4月に「神様のカルテ」をご紹介しました。
今回は、「神様のカルテ2」です。
長野県にある、24時間365日の看板を掲げる病院の内科医が主人公。
地域医療の抱える課題を提示しつつも、描かれているのは人間ドラマで、涙をはらはら流しながら読む作品です。
「2」も同じぐらい涙が流れましたよ。
夏目漱石を敬愛するくだりは相変わらずだし、周りの友人も変わった人だらけだし、勤務体制は過酷だしで、これだけなら泣ける要素なんてなさそうなのに、いっつも涙が出るんですよね。
作者の優しさが行間から溢れています。
今、何かにしがみつかないと生きていられない人に読んでもらいたい。
心の中の必要のない塊が、涙と一緒に流れますよ。

2011年3月14日月曜日

由佳の本棚3月

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
第144回芥川賞受賞作品。
主人公は、キコとトワコ。
夏休み、二人は葉山の別荘でよく会っていました。
キコが別荘所有者の娘。トワコが管理人の娘です。
キコが8歳、トワコが15歳を最後に二人は会わなくなります。
それから25年・・・別荘が手放されることになり、二人が再び出会う物語。
そのキコとトワコの過去と現在が混ざりながら物語が進行していきます。
そして、現在か過去か分からないまま、主人公が夢の中にいるんです。
おかげで私も、本を読んでいるのに、夢の中にいるようでした。
終始ふわふわです。
不思議な雰囲気に包まれたい、夢の中を漂いたい方にオススメです!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
絵本「100万回生きたねこ」の作者、佐野洋子さんのエッセイです。
絵本作家って、”物腰の柔らかい、おっとりした人”というイメージを勝手に持っていたんです。
それがどうでしょう!
佐野洋子さんの語りは、なんともキツイ!きつくて厳しい!!
厳しいんだけど笑える。笑えるけど悲しい・・・。
ものすごいエッセイにであいました。
佐野さんの語り口はきついんだけど、それでも涙が出るのは、佐野さんの根底の優しさが、行間から溢れているからなんでしょうね。
最後のエッセイに、佐野さんの全てがつまっていました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
猫好きの私、この装丁を見たら買うしかなかった!!
ブランケット・キャッツとは、馴染んだ毛布とともに、2泊3日でレンタルされる猫たちのこと。
この設定を読んだ時、海(かい)を飼っているにもかかわらず、レンタルしたくなりました。
そんなふうに、のほほ~んと、読み始めたら、猫を借りに来る人たちは、大変大きな悩みを抱えていました。
そして、2泊3日のレンタル期間中に、自分たちを取り戻し、危ないところから引き返すんです。
誰もが危険と隣り合わせで、何かのきっかけで壊れるんだと、じわじわと分かる本です。
登場人物達は、もちろん、ブランケット・キャッツに救われます。
私たちも、”普段は気が付かない小さな何か”に、幸せをもらっているんだな~と、思いました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
著者がキング・カズで、本のタイトルが「やめないよ」って、もう買うしかないですよねぇ。
これまで、有名人すぎて、三浦選手のプレーを真剣に見たことがなかったんです。
大勢の日本代表の中の一人として、なんとなく見ていました。
それが、この本を読むと・・・横浜FCの試合が待ち遠しい!!
身近で三浦選手のプレーを見たい!!そんな気持ちになりました。
エピローグから涙が出そうでしたよ。
キング・カズは、サッカーの技術がキングなのではなく、サッカーを愛する心、サッカーにかける思いがキングなんだと思いました。
人生の向き合い方を教えてくれた本です。
 
 
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NTTクレド4階・5階にある紀伊國屋書店でお借りしました。
パリ・セーヌ川の岸に、無料で泊まれる本屋があります。
それが、シェイクスピア&カンパニー書店。
人生を誤った元新聞記者が、この書店と出合い、そこで暮らした日々を綴る本です。
外国らしい世にも不思議な世界をお楽しみください。
登場人物が多くて、誰が誰か分からなくなった!
読む方はご注意を。