今月も紀伊國屋書店クレド岡山店に本をお借りして、新刊を読みました。
本っていいな~。
主人公は高校一年生の花菱英一君。
通称、花ちゃん。
花ちゃんのご両親は味のある持家がほしくて、老朽化著しい小暮写真館を購入。
家の中にはスタジオがあって、前の家主の小暮さん(幽霊)も住んでいると噂です。
そんな花ちゃんのもとに心霊写真が舞い込んできて、その謎を、花ちゃんと花ちゃんの友人のテンコくんや、こげぱんちゃん、弟のピカちゃんが一緒に、解いていくという内容。
最初は幽霊に会いたいという登場人物の気持ちが分かりませんでした。
でも、大切なものが亡くなると、そういう気持ちになるんですね。
本に救われました。
厚さ4.3センチあっという間に読めますよ。
主人公は、少年は大変頭がよく、しかも努力を怠らずに勉強をし、毎日ノートをとり、たくさんの本を読むので、将来はきっと偉い人間になると信じている、小学4年生の少年です。
少年には大好きなお姉さんがいます。
歯科医院に勤めるお姉さんです。
少年は、お姉さんの「おっぱい」が気になります。
お姉さんの「おっぱい」を見ながら、おっぱいのこと以外にもいろいろ考えます。
その大好きなお姉さんが、ある日、缶を投げて、その缶がペンギンになったのです。
お姉さんは、少年に「この謎をといてごらん」といいます。
そこから、少年のお姉さんとペンギンの研究が始まるんです。
とにかくぷぷっと笑いっぱなしなのですが、最後はホロっときます。
最後の少年の気持ち、よぉ分かる。
政治の世界の話です。
主人党は政治家の武藤泰山。
3人続けて総理大臣が1年ほどで職を投げ出した後、内閣総理大臣に就任します。
さぁ、就任してからが大変。
国土交通大臣の失言、自身は漢字誤読、経済産業大臣は飲酒会見、官房長官は女性スキャンダル。
なんだか聞いたことのあるような問題ばかりが起こります。
最初は、前政権の批判の本なのかな、つまらないなと思って読んでいたんですよ。
すると、突然、とんでもないことが起こるんです。
そのとんでもなさっぷりが、よくあるパターンだったんで、これまた面白くないよ!と思いながら読んでいました。
なのに、よくあるパターンなのに、こんなに面白いとは!!!!!!
政治の話なのに、とにかく笑いが止まりません。さすが池井戸潤!!
主人公は、24歳のケンヤ。
話し方も見た目もチンピラ風の若者です。
ケンヤが4回しか会ったことない、派遣社員の亜佐美(他殺される)のことを知りたくて、亜佐美の関係者に会って話を聞くという内容。
どうして、ケンヤは4回しか会ったことなくて、しかも恋人ではない亜佐美のことを、聞いて回るのか。
読めば読むほど謎が深まります。
そして、会う人々に、「死ねばいいのに」と、いいます。
ケンヤが会う人はすべて、エゴの塊。
誰も死んだ亜佐美のことを悲しまず、自分が不幸だといいます。恵まれてないって。読んでて、すごく気分が悪くなりました。
でも、これって、もしかして、自分の中にもあるものかもしれないって気がついたんです。 人の死を悲しまないのは別としてね。
普通の環境にいるし、それは望んでいる場所なのに、気が付けば誰かのせいにしていたり、そういうことって、大なり小なりあるんじゃないかなって。
何かに悩んでいる人がいたら、読んでもらいたい一冊です。
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