バレンタインデーだけど、「由佳の本棚」には関係ありません。
恋愛小説一切ないの今月の４冊です。
移動調理屋とは、お客さんが持ってきた食材を、キッチンワゴンで調理して、持って帰って食べてもらうという商売。
佳代ちゃんがこの仕事を始めたのは、失踪した両親の足跡をたどるためでした。
足跡をたどって訪れた土地で、いろんな人に会い、料理で救っていきます。
佳代ちゃんはとっても辛い境遇なのに、それでも読んでいて幸せな気分になりました。
装丁の美しさに目を奪われて、帯に書いてあった「２０１１年本屋大賞」に気が付きませんでした。読んで初めて、ミステリーだということに気付きました。
読み終わった後に、本屋大賞だということを知りました。
物語では、植物状態になった患者と意思の疎通が出来て、姉が自殺をした弟と潜在意識の中で話すのですが、ここが現在なのか、それとも潜在意識の中なのか、時間軸は一体どこにあるのか、とにかく平衡感覚のなくなる本です。
その気持ち悪さが気持ちいい！！！！
重松清さんの本って、何でこんなに涙が出るんでしょうね？
１章から８章まで泣きっぱなしでした。←私、辛いことでもあった？
最初の主人公は、決して笑わない母を持った息子です。
母が３３歳の時、父交通事故で亡くなります。
車を運転していたら、反対車線から車がはみだしてきて、衝突したんです。
助手席に乗っていた会社の上司も亡くなりました。
その時から、母親は、亡くなった上司の家族のために、一切笑わなくなり、全ての楽しみを捨て去りました。
どうして、そこまでしなければいけないのか、答えは本の中に書いてあります。
江國ワールド炸裂の一冊です。
三世代、百年の、風変りな家族の物語。
東京・神谷町にある、大正時代に建てられた洋館に住む柳島家は、祖母はロシア人、学校へは大学まで通わせず、叔父や叔母まで一緒に暮らし、４人いる兄弟のうち２人の母親が違うという、なかなかない設定です。
そんな設定の中に、登場人物のそれぞれの優しさや、持っているもろさ、それを受け入れる家族が、江國タッチで描かれているんです。
物語の中に漂っているように読める１冊です。
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